match review of J League

Match Review 「VAR判定明けのプレー再開の選択肢と、リカルド・ロドリゲス監督の修正力」2021 J1 #03 浦和レッズ[URW] vs 横浜FC[YFC]

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VARの判定に一喜一憂した一戦だが、試合を分けたのは、VARの判定そのものよりも、VARチェックによる中断明けの試合への戻り方だったといえる。VAR導入された今シーズンも3戦目だが、こういった経験値を積んでいくことも今シーズンの結果を左右するのではないだろうか。
特徴的だったシーンをいくつか振り返ってみたい。

Lineup

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浦和レッズ(リカルド・ロドリゲス):4231
横浜FC(下平隆弘):442

Starting Lineup
スターティングラインナップ

横浜FC:ボール保持時

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  • 浦和は442で守備陣形を形成。中盤から後ろを2ラインで固め、杉本、明本のツートップがボールにプレスをかけるかたち。
  • 浦和のボールへのプレスは低い位置から開始するため、横浜FCは比較的ラクにハーフウェイあたりまではボールを運ぶことができる。
  • 横浜FCは中盤の中村が最終ラインに落ちてきて、ビルドアップをする、いわゆるサリーダのかたち。最終ライン3人+安永に対して、浦和のツートップという構図なので、自陣では楽にボールがもてる
横浜FCボール保持時
  • 横浜FCは両サイドハーフの小川、松尾が内に絞ることで、サイドバックが活用できるスペースをつくりだす。アタッキングサードでは浦和のプレスが強いため、最終ラインの中村からのロングフィードでサイドバックにつけるかたちでチャンスを生み出す。
30分ごろのシーン

浦和:ボール保持時

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  • 横浜FCは、中盤6人でコンパクト布陣し、中央を固めるかたちが目立つ。また、プレスは高い位置から開始。
  • 浦和は、横浜FCのハイプレスに苦しみ、攻めに転じる時間が少ない。うまくサイドのスペースを突くも、そのまま、サイドに追いやられ窮屈な展開に。
浦和ボール保持時
  • 後半に入り、浦和は横浜FCが固める中央のスペースに入り込む形をつくる。杉本が落ちてきてポストプレーするなどで、効果的に横浜FCを中央によせつつ、サイドのスペースを活用していくかたち。これが奏功し、ボール保持率が前後半で真逆の展開に。
  • 試合後のインタビューで横浜FC下平監督が「浦和さんが後半からシステム変えてきた」との発言をしていたが、このあたりだろうか。
後半のかたち

試合の分かれ目

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VAR明けの試合への入り

  • 9割がた横浜FCのペースで試合が進んでいたはずだが、ペナルティエリアの角ギリギリのところでのPK献上からの失点。押しながら失点してしまったショックなのか、続けざまにピンチを迎え、今度はVARで一度は救われるものの、慌てたディフェンスで再度PK献上。VAR明けに落ち着いて再度試合に入っていく工夫も必要かもしれない。
  • 2失点目の場面。VARで浦和のゴールが取り消しになった後の自陣からのFK。ここに浦和の2枚が高い位置で、ショートパスをケア。仕方ない感じで前線にロングフィードを蹴り込むも、そこから一気にカウンターをくらってしまう。少し同様があったような場面なので、一旦自分たちでボールを持ちながら落ち着く、というアルゼンチン代表のような試合運びの選択も必要だったように思える。
  • 印象的だったのは、浦和のGK、DF陣に加え、監督が常に声をだしていたところ。マイクの関係などもありそうだが、横浜FC側で「集中きらすな!」といったような声はあまり印象にのこらなかった。

後半に向けてのシステムの立て直し

  • 前半が終わった段階では、失点こそしているものの、横浜FCが終始惜しいシーンを作り出していたため、反撃の狼煙を上げられれば、一気に同点、逆転もありうるような展開
  • リードしながらも後半開始のタイミングで選手交代した、リカルド・ロドリゲス監督の修正力が光ったといえる。
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