[Match Review] 「オーバーエイジ枠選手によって、引き出されたチームとしてのポテンシャルと、それでも残る課題」 2021/6/5 日本U24[JPN] vs ガーナU24[GHA]

東京オリンピック本大会に向け、オーバーエイジ枠3人を加えた形での(実質的には)はじめての実戦となったU24日本代表対U24ガーナ代表の試合ですが、オーバーエイジ枠選手個々の能力が際立っていたのはもちろんのこと、オーバーエイジ選手のプレー選択がチーム全体の連動をスムーズにしているようでした。結果的には日本の大勝となった、この一戦を、選手交代の思惑などを推測しつつレビュー。 2021/6/5 国際親善試合 日本U24代表 vs ガーナU24代表 6 – 0 Lineup 日本は4231の形で、ガーナは前線の形がちょっとあいまいですが、442の形をベースとしているようでした。日本代表は、今季プレミアリーグを制したマンチェスター・ユナイテッドを彷彿とさせるライトブルーの100周年記念ユニフォームを着用しています。正直、テレビ越しだと色合い的に背番号が見づらいのですが、それでも迷彩柄のユニフォームより格段に視認性は高いですし、襟付きのユニフォームは素直にかっこいいと思いました。機能性としては襟がないほうがよいのでしょうけど、1999年当時のワクワク感も蘇ってくるようです。 前半 日本ボール保持時 右サイドバックのオーバーラップを活かした攻撃の組み立て 日本は、右サイドバックの酒井がかなり積極的にオーバーラップを仕掛けます。3月の代表戦での右サイドバックだった、菅原、原と大きく印象が異なる部分でした。どちらかというと、チーム戦術として決めているわけではなく、選手個々の判断にゆだねている部分がおおいチーム森保という印象なので、3月の代表戦でもどかしいと感じていた部分が解消されていると感じました。 右サイドハーフの堂安が内に絞って酒井のコースを開けたり、逆に中央の久保が右サイドによって酒井とのコンビネーションを図ったりと、いい感じの連動もできているようです。 遠藤、田中を経由した組み立て 右サイドバックのオーバーラップだけではなく、最後列からのビルドアップにおいては、センターハーフの遠藤、田中を経由して効果的な組み立てができていました。下記の場面に象徴されるように、例えば、吉田→遠藤→堂安といった具合に、パスを繋ぎますが、堂安に出る場面で、サイドに張っていた久保が相手の左サイドバックを引出し、堂安の前方にスペースを空けるという連動をみせていました。もともと、このチームでは田中がゲームメイクのキーになっていましたが、遠藤が加わることで、パスの出どころが2つになるため、対戦相手も的を絞りづらくなるように感じます。 ネガティブトランジッションの意識 ネガティブトランジッションの意識も高くなっていると感じました。先程の25分のシーン、最終的には酒井も攻撃に加わりクロスをゴール前に入れますが、ガーナのディフェンスにボールを奪われてしまいます(3アルハサンがボール保持)。しかし、その直後、上田、相馬、堂安が猛然とボール保持者にプレスをかけ、たまらずガーナのボール保持者は自陣深いところにおいやられ、ファジーなクリアをするのみとなりました。 いわゆる、クロップ監督の代名詞でもあるゲーゲンプレスということになりますが、ここは、数人のプレーに一貫性がみられたので、チームとしての決め事として取り組んでいる部分ではないかと推測しています。 ガーナボール保持時 日本がディフェンスに回った局面もみていきます。カメラの画角もあり、日本の最終盤の様子は想像ですが、基本的には高い位置から、守備を開始しています。遠藤、田中というセンターハーフの二人がハーフウェイラインを超えたところで相手の中盤の選手にタイトにマークにつくかたちです。 前半まとめ オーバーエイジ枠の選手とはあまり合わせていない中でも、久保や堂安はA代表でもプレーしている経験からか、特に問題ない、というより効果的な連携をみせていた印象です。 一方のガーナは、前半の失点シーン以降、個人技に頼るシーンが増え、1枚はがしかけるまではいきますが、日本の組織を崩すには至らず、結果的に一層日本ペースとなるような展開となっています。最終ラインもあまり統率がとれていなく、チームとしての完成度は低い印象でした。どうやら来日メンバーはベストメンバーではなかったようです。 なお、副音声で、前園さん、那須さんが解説をしていました。声のトーンこそ落ち着いていますが、トークの内容が熱いため、つい引き込まれてしまいました。何ならゴールシーンでも特段盛り上がらないのですが、それも、彼らが、この試合の位置づけを正しく理解してるからこそ、という印象をうけました。是非、他の試合でも聞いてみたい解説でした。 後半 後半も両チーム共に選手交代なし。そもそもGK含め交代選手が7人しかいないガーナは分かるとして、12人の控えメンバーを揃える日本が選手交代しなかったのは意外でした。前半に3 – 0と、流れを考えてもほぼ試合としては決まってしまった流れなので、モチベーションが下がる相手に対して、オーバーエイジを外しての試合を進めるという選択肢でもよかったのではないかと、個人的には思いました。 最終ラインからの縦パス オーバーエイジの吉田と、(実質的にはオーバーエイジ枠的な)富安というCBコンビが新たに加わったことになりますが、守備面の安定はもちろんですが、特に印象的だったのが、彼らからの縦に付けるパスです。3月のアルゼンチン戦では、個人的に以下を課題と感じていました。 サイドバックがオーバーラップしない、したとしても、タイイミングが遅い CBがサイドバックに横パス、あるいは、落ちてきたボランチに渡す これらによって、結果的にボールキープ率こそ高くなりますが、攻撃のスイッチを入れる機会が少なかった印象ですが、吉田、富安からは田中、遠藤を飛び越し、前線の選手につけるパスを出せていました。これにより、スムーズに前線にボールを運ぶことができ、相乗効果として、サイドバックもオーバーラップがしやすくなっているように感じました。 58分 日本選手交代 三苫、板倉 日本最初の選手交代は58分。センターバックと左サイドハーフ。富安はコンディションを考慮しての交代と思われますが、三苫はこのチームの重要なオプションとしての投入ということでしょう。 67分 日本選手交代 前田、食野 更に10分後にセンターフォワードと右サイドハーフを交代。前田は3月のアルゼンチン戦時には怪我だったこともあり、しばらくぶりの形。食野は三好との当確争いの中でのテストということでしょうか。 なお、ここまで、途中投入された三苫が前を向いてボールを持つシーンは1度位しかみられていません。先発出場させていないことから、このチームにおける三苫の役割は、「どうしても点が欲しいときの切り札」ということが考えられます。大量リードの本試合の展開だとそのテストとしては難しいのかもしれませんが、ある程度守備は放棄し、相手のサイドバックを大外にピン留めするような位置取りをして、確実にボールを受け、そこからドリブルを仕掛けるような形でもよかったように思えます。守備の意識があるのか、少し密集地帯に位置どることも多く、あまり効果的なパスを受けることができていなかったように感じます。おそらく、ここも個人の判断だと思いますが、特別な役割を担う選手を使う場合は、チームとして決め事を作ったほうがよいとは思います。 78分 日本選手交代 旗手 久保に代えて、旗手投入。3月のアルゼンチン戦では左サイドバックで出場していたため、前目のポジションでの動きを念の為見てみたいということでしょう。 84分 日本選手交代 古賀 最後の交代は左サイドバック。万が一のけが人が出た場合などを想定してのことだとは思いますが、残り5分での投入の意図は測りかねてしまいます。守備固めということでしょうか?はためには、三苫がうまくフィットできていないようにも見えたので、旗手を左サイドバックに回し、クラブチームでのコンビネーションを活かす、という修正でもよかったのではないかと思います。 まとめ OA枠の3人+富安の4人を加えたU24日本代表チームは、彼らの個々の能力の高さからくる守備の安定度だけではく、「困ったときの田中碧」というチームカラーを払拭できたのではないかと感じました。どうやら田中本人もなにかのインタビューで答えていたようですが、遠藤とのコンビによって、諸々の負担が減ったことにより、より自由にプレーできるようになったようです。ボールの出どころも、田中に加え、遠藤、更には最終ラインから、と増え、更には今まで物足りなかったサイドバックのオーバーラップも増え、攻撃の幅が広がったように感じます。オーバーエイジ枠として大迫を呼ぶという声も多くあったようですが、決定力よりゲームの組み立てを課題と感じていましたので、個人的にはこの3人の追加はかなりよいと感じました。 一方で、途中投入された選手については、以下に挙げるようなポイントが見られなかったので少し残念に思いました。大差が付き、日程もタイトななかという悪条件ではありますが、であれば、次回は先発や後半頭からの投入というところも見てみたいなと思いました。 三苫のドリブル 板倉の縦パス 食野の仕掛け 前田の裏抜け 前回Review リソース

Match Review「田中碧=リアル松山くん を感じざるを得なかったキープ力とカバー力」国際親善試合 2021/3/29 日本U24[JPN] vs アルゼンチンU24[ARG]

Home&Homeの2nd Legともいうべき本戦。結果的には初戦の借りを倍返しに成功した日本。アルゼンチンもコンディションよいように見えた本戦だが、初戦を欠場していた田中碧の存在感が際立った。アルゼンチンも選手がかなり流動的なポジションをとりつつトリッキーな動きを見せた本戦を振り返る。 Lineup ディフェンスラインを入れ替えてきた日本。坂倉をボランチに上げた配置からは、板倉は本メンバーとして当確ながら、どこで使うかを測っているところか。町田、瀬古の両CBはセリエAのフォワードを抑えることができればよいアピールとなる。 前半 日本のオフェンスシステム、アルゼンチンのディフェンスシステム 日本は、2ボランチが斜めの位置になりつつ、ここが攻撃の起点となる。なお、両SBは大外をつかうのではなく、1つ内側のインナーレーンを使って、食野、相馬が大外を使う意図を感じる。アルゼンチンは、最終ラインを5バック気味に深く守る。このとき、5バックがかなり中央を固める布陣なので、日本としては両サイドにスペースが生まれる。田中→相馬というロングフィードから相馬が仕掛けるシーンが前半何度も見られる。 初戦に比べ、日本は板倉が飛び出す形を見せるなど、初戦の問題点を修正してきている印象を受ける。もちろんその背景には田中碧の抜群のボールキープ力あってこそ。その甲斐もあって、アルゼンチンは高い位置でディフェンスラインを設定しようとするが、徐々に押し下げられ結果的に図のような低い位置での5バックとなっている。 アルゼンチンのオフェンスシステム、日本のディフェンスシステム アルゼンチンは初戦RSBだった4デラフエンテを1つ上げた位置で起用してきた。2ボランチが縦関係になるのが特徴的。また、CFのガイチが2列めに降りてくる。ディフェンスからのポジティブトランジッションでは、サイドプレーヤーが単純にポジションを上げるのではなく、少しトリッキーに動くため、うまくボールがつながれば一気に最前線で数的優位を作れそうなシステム。日本はオーソドックスに442の形で3ラインを作るディフェンス。 前半まとめ 日本の17田中碧がアルゼンチン相手に2〜3人に囲まれてもボールロストしない。このピッチ上で1人格上感を出している。11久保も同じレフティの三好より、右利きの食野や相馬との方がスムーズにボールの受け渡しができているような印象を受ける。 後半 4トップ気味にオフェンスするアルゼンチン メンバー交代し、オフェンスシステムを変更したアルゼンチン。10バルガスが、時にボランチの位置でゲームメイクし、時にサイドに貼ってチャンスメーク、時にトップ下でスルーパスを狙うなど、より流動的なシステムとなった。7バレンスエラも左右を入れ替えるなど、うまく行かなかった前半の流れを変えるべく変化をつける。 アルゼンチンはディフェンスを4バックに アルゼンチンは後半からディフェンス時に4バックを敷き、中盤の人数を増やす。 アルゼンチンのポジティブトランジッションの動き 後半からアルゼンチンは攻守のシステムを変更するが、中々思うようにはいかない。試合を通じて最初のシュートを打つまでに60分以上かかってしまう。 オーソドックスな4231に変更するアルゼンチン エースのガイチを下げ、オーソドックスな4231に変更。すでに3点差となっているため、控え選手やシステムを試すモチベーションになっているのかも。 最終局面 日本は、旗手、三苫、中野を投入。田中、旗手というクラブでのチームメイトがいる中での三苫のプレーをこのチームで見てみたかったが、時間が少なすぎてそういう場面は見られなかった。この2戦を終えて、このチームとして、三苫がどう評価されたのかは気になるところ。 まとめ 同じチーム同士で中2日での連戦ではあるが、結果は真逆のようになる。サッカーの面白さや怖さがよく分かる。日本に関しては、CB2人はガイチを完全に抑えたと言ってもよいだろうし、板倉はCB起用より、ボールキープ力に長けた田中とのコンビを組むことで、初戦に比べ前向きのプレーが(若干リスクの高いプレーを選択しがちだったが)できていた。後ろが安定すれば、もともとタレント豊富な攻撃陣はよりのびのびとプレーでき、チャンスを作り出すことに成功。田中碧はキープ力だけでなく、自身が前線にボール供給したら、それで終わりではなく、その後にボールロストした際にはいち早くカバーリングするなど、戦術眼にも長けていることを証明。逆にアルゼンチンは、動きそのものは悪くなさそうだったが、細かなボール処理のミスなどが出てゲームのリズムを作ることができなかった。全体的に「前に前に」という姿勢が終始続いていたので、例えばリケルメのようなペースを変えられるゲームメーカーがいれば違った展開になったような気がする。いずれにせよ、この難しい状況のなかで来日して真剣な試合を開催してくれたことに感謝したい。

Match Review「修正できた左サイド、修正できなかった(しなかった)右サイド」20210326 国際親善試合 日本U24代表[JPN] vs アルゼンチンU24代表[ARG] (Japan U24 vs Argentina U24)

南米予選をトップ通過したアルゼンチンU24代表は、その前評判に違わぬ実力をみせつけた試合。本大会前の試合はこの日本戦しかない予定というアルゼンチンに対して日本は手を焼く。前日のA代表が快勝だったことも相まって、もどかしい展開のなか、前半の問題点を修正できた左サイドと修正できなかった右サイド。キープレーヤーの田中碧不在を強く感じてしまった本戦を振り返る。 2021/03/26 国際親善試合 日本U24代表 vs アルゼンチンU24代表 0 – 1 ■日本U24代表(横内 昭展):3421■アルゼンチンU24代表(フェルナンド・バティスタ):442 前半 日本はオフェンス時4231、ディフェンス時422となる。対するアルゼンチンもオフェンス時はワントップ気味の442、ディフェンス時442となる、ミラーゲームの展開。 日本のビルドアップ 日本はGK+CBでビルドアップを開始するが、アタッキングサードに攻め込めず、ボランチに戻す、以下の図のような状況に陥ることが多かった。ここまでSBもオーバーラップを仕掛ける場面もなく、ボランチも飛び出していかないため、明らかに前線の人数が不足している。 前線の選手もボールをもらいに下がってきて、自陣から攻め上がるような形もあった。注目の三苫が自陣でドリブルから状況を打開しようとするも、1人目かわしたとしても2人目3人目のところでボールロストしてしまい、カウンターを受けてしまうなど手詰まり感が否めない。このあたり、このチームの中心選手の一人でもある、出場停止中の田中碧がいれば前線に飛び出すなど変化をつけられるのではと思ってしまうので、その不在を感じてしまう。 アルゼンチンのビルドアップ 日本がビルドアップに苦しむ半面、アルゼンチンはCBが自身を持ってビルドアップを開始しているのが印象的。最悪CFのガイチにロングボールを蹴っておけば何とかなるというリスクマネジメントもできているのか、スムーズに回せている。解説でも話していたが、日本に比べパススピードが1段速いところもそのスムーズさにつながっているのだろう。 前半まとめ 昨日のA代表も原則同じフォーメーションなので、その比較という意味では日本は右サイドの攻撃に物足りなさを感じる。三好とそのフォローに来ることもある久保、いずれもレフティということもあり、中への切り返しからのインスイングのクロスやシュートというイメージがある。また、サイドバックに関して、LSBの旗手はハイライトにも残っている通り、数回攻撃参加していたが、A代表の山根に比べ、RSB菅原の攻撃参加が少なすぎる印象。チームの方針なのか、本人の判断なのかは不明だが、左サイドの三苫のドリブル突破と、右サイドの切り返しさえ気をつけていれば大怪我をしなさそうというアルゼンチンの考え方も見えてくる。 後半 前半の問題点2点について、、改善できた点、できなかった点 サイド攻撃が活かしきれない ビルドアップが停滞気味 スプリント開始のタイミングを改善したい右サイドバック 前半にも気になっていたRSBの攻撃参加が少ない点について、端的な場面があったので紹介したい。ハイライトにこそ残っていないが、三好が高い位置で前を向いてボールを保持するチャンスの場面。ここで、三好は最終的にPA内の角に切り替えしてのミドルシュートを狙うが枠を外してしまう。シュート打った瞬間菅原はPAの手前の位置(下図)にいる。三好のシュートブロックにいっているのがアルゼンチンのLSBなので、菅原がオーバーラップしかけることができていればシュートコースも広がっただろうし、菅原に渡してのクロスという選択肢も広がったはず。ゴール裏からのカメラのリプレイを見る限り、菅原のスプリントの開始が数秒早ければ下図の上の青線の位置にはいれたと思う。このあたり、月曜の第2戦でどうプレーするのかは注目したい。 左サイドバックが中央に入ることで変化をつける 一方のビルドアップについては改善が図られた。LSBの旗手がボランチの位置に入り、ボランチの渡辺が一つ前の位置をとることで左右非対称な布陣となり、アルゼンチンのRSHを無力化できているようにみえる。解説の中村憲剛さんが話していたが、技術などに加え「戦術眼を持っている」旗手ならではの修正力なのかもしれない。 アルゼンチンの守備戦術変更 アルゼンチンは65分ごろから1ボランチにして、4141のような形に守備陣形を変更。日本がサイドを広く使えだしてきているところもあるため、サイドのスペースを埋めに行くような修正と思われる。日本も同じタイミングで左サイドのLMF、LSBを2枚替え。相馬は内に絞ってボールを受け、その空いたスペースを古賀がオーバーラップするという展開をつくることに。三苫がサイドに張って、その内側を旗手が使うのと対称的な戦術。 最終盤にも多彩な攻め手を見せるアルゼンチン アルゼンチンはLSBである3バレンスエラがボールを回しながらインナーラップし中央へ。更にインサイドハーフの8コロンバットが、LWGのような位置に飛び出し、3バレンスエラからスルーパスを受ける。最終的に8コロンバットのクロスに飛びこんだのはLIHの17ゴンサレスの選手。後半もそろそろ終了間際というところながら、頭を使った攻め手を見せるアルゼンチン。金メダルを獲るということは、ここまでできてこそ、ということを感じさせられる。CFを囮につかいながら、頭を使った巧みな攻め手を見せる。時差のあるアウェイ戦で必ずしもコンディションよくないはずのなか、この最終盤でも惰性でプレーしないあたり、「金メダルを獲るチームとはこういうチームだ」と見せつけられる思い。 一方の日本はというと、2列目の選手が個人技でしかける展開が多く、チームとしての成熟度の低さを感じざるを得ない。 まとめ 得点こそ1対0と、惜敗と呼べるかもしれないが、印象としては完敗。久保や三苫の個人技術はもちろんこの試合でも際立っていたが、アルゼンチンは全員がそつなくスキルフルだった。加えて、試合の駆け引き(「プレスに来ているから、裏に出そう」「機を見てインナーラップしよう」等)や、何より対人(マークの相手をにらみつける、シュートブロックに対して間合いが近い)の強さなど、メッシやアグエロのころのようなメジャーネームは不在ながら「強豪国」とは何かというものを感じることができたのではないだろうか。海外で活躍する選手も多く存在するチームながら、根っこの部分でまだまだ世界のトップチームの常連とはなれていない現実を見せつけられた思いがある。アルゼンチンもコンディションを整えられ、キープレーヤーである田中碧が出場するだろう3日後の試合は、言い訳できない一戦となるはずなので、ある意味本大会の気持ちで優勝候補でもある相手チームに対して戦う姿をみてみたい。 もう1点気になったのが、A代表とU24の優先度。素人考えでは「3ヶ月後に迫った自国開催のオリンピック」は「1年半後のW杯」より優先すべきではないかと思う。それでも、監督はA代表戦を指揮し、U24メンバーでもある富安はA代表に招集。戦略レベルでの代表チームのマネジメントコンセプトがどうなのか聞いてみたいところ。 外部リソース JFA公式YouTube